できるかぎり歯を残す
2023年12月10日
できるかぎり歯を残す治療、適切な診査・診断のもと治療方針を決定します
適切な診査・診断を行うこと。そして「丁寧な予防対策」「精密な根管治療」に重点を置き、天然の歯をできるだけ残すことに尽力しています。
生まれ持った「天然の歯」は、何よりの財産です。インプラントを含め、義歯の技術が進歩し、歯を失っても快適なお口での生活を保てる時代になりました。しかし、それでも天然の歯に勝るものはありません。
歯を守る一番の対策は「予防」です。歯を悪くする原因を早めに取り除くことが重要です。こまめなセルフケアと定期的なプロのメンテナンスの両方を行うことで、健康なお口をずっと守り続けていけるのです。
当院で治療された多くの患者様は、完治後もこの予防対策を守ってくださっています。そのため、むし歯や歯周病知らずの健康なお口の環境を保ち続けることに成功している方がたくさんいらっしゃいます。
歯科医師の技術不足・健康保険の制限のため
その歯を治療して、ある程度の期間残すための治療を行うための治療技術が担当歯科医師にない場合、抜歯の診断になってしまいます。また、健康保険診療をされている歯科医院で、健康保険の制限内での治療では治療不能という状態になれば、抜歯との診断になります。
このパターンは、健康保険の制限内の技術しかもたない歯科医師が担当していることになるので、基本的には技術不足となります。この場合、
より技術のある歯科医師が治療することで、歯を残せる可能性があります。
悪化させてしまった歯もできる限り守ります
一方でかなり辛い自覚症状が出るまで放置してしまい、相当悪化したむし歯を抱えて飛び込んでこられる患者様もおられます。しかしそんな状況でも、当院は「抜かずに完治」できる治療方法を見いだせる可能性は十分あると考えています。
かなり進行したむし歯であっても、神経のある歯の根っこの部分(根管)の治療を行うことで、回復に導いてきた実績を多く持つからです。
「他院で抜かないと駄目だと言われたけど、できれば残したい」
そんな一縷の望みをかけて来院される患者様の診察も行っています。状況によりますが、根管治療や、歯の土台の骨の治療を行うことで、抜かずに歯を残せる道は広がります。すべての歯を必ず抜かないということではありませんが、他院で歯を抜くことをすすめられた場合でも、諦める前にぜひ一度ご相談ください。
ご自身の歯を残せる精神的な幸せ
歯を抜くということは、厳しい言い方をすれば人体を切除することです。当然ですが、指や腕を切断したい人はいません。歯だって、簡単に抜いてしまっていいはずがありません。
可能な限り、歯を残すように治療して、ご自身の歯を長く使っていただくことは、患者さんの精神面でもとても大事なことだと思います
こんな方法で歯が残せる場合があります
多くのインプラント治療に携わってきたので、インプラント治療と密接に関わる根管治療や歯の土台の骨の治療を多く行っています。通常は抜歯をすすめるような症例でも、歯冠長延長術など特殊な治療技術で歯を抜かず回復させたケースを多く残してきました。
人間の歯は形態・硬さ・感覚などの様々な要素で非常に高性能に出来ています。絶対に人工物では再現できません。噛みやすさ・話しやすさ・お口の中での違和感のなさ・かみ心地の良さなど、入れ歯やインプラント・ブリッジなどの人工物では実現不可能です。
●歯を抜かないための治療法
骨削(骨を削る)や歯肉切除により骨の中に埋まってしまった歯の根っこを復活させる治療方法。また歯肉の中までむし歯が進行してしまった歯を強制的に挺出する(引き出す)治療方法で対応できることがあります。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法とは?
歯周病によって失われてしまった歯周組織(セメント質や歯槽骨、歯根膜)を再生させる歯周外科手術です。歯周病に侵された歯周ポケット内部の汚れや細菌を取り除いたあとに、歯周組織再生材料というゲル状の薬品を塗ることで、歯周組織の再生を促します。
すべての症例が適応できるわけではありませんが、中等度から重度の歯周病でも改善が期待できます。諦めずにまずはご相談ください。
天然の歯を残すことが最適な選択でないことも
天然の歯を残すことがベストですが、当てはまらないケースもゼロではありません。患者様が重度の歯周病にかかっている場合です。
かなり重い歯周病を発症しているケースでも、治療することで歯を支える骨への吸収(骨の溶け出し)を抑えることができれば、歯を抜かずにすみます。
しかし、治療しても吸収を止められなかった場合は、早めに抜いて歯の土台となっている骨をきちんと守ることが将来的にベストの場合もあるのです。
大切なのは、的確な判断でお口の最良の道をみつけること
嫌な話になりますが、歯を抜いたほうが歯科医院が儲かることがあります。例えば、インプラント治療ばかり行っている歯科医院の場合、歯を抜かなければ仕事にならないわけであって、どうしても抜歯する方向に診断(抜歯の基準が甘い)を誘導させてしまいます。もちろん、インプラント治療を行っていても、出来るだけ歯を残す歯科医院はありますが、歯科医院も売り上げが必要な以上、金銭面で歯を残すか抜くかどちらが得かということは考慮しないといけません。
万が一、歯の疾患を進行させてしまった場合でも、一部のケースを除き、かなりの確率で天然の歯を残せる方法があると考えております。
そのためには、第一段階として適切な診査・診断を行うことが大切です。長年の実績をもとに、患者様の現在だけでなく、未来のお口の健康も見極めた判断と治療を行うことに、これからも全力で取り組んでまいります。