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虫歯の原因菌(Streptococcus mutans)の特長 

2022年12月7日

虫歯の原因菌(Streptococcus mutans)の特長 

  1. 酸を産生する能力が高い 
  1. 耐酸性が高い 
  1. 不溶性グルカンを放出し、歯面に固着しやすい 

 

感染源と定着時期 

歯が生えていない乳児の舌からもS.mutansのDNAは検出されることから、粘膜表面にも定着するという報告がある。まだ歯がない時期だから定着しないと油断するのは禁物。 

母親の唾液中のS.mutansの数が多いと乳児の口腔内のS.mutansの数も多くなる。また、菌株の遺伝子型を精度高く識別する方法によって調べた研究によると、S.mutansの母子感染は50~85%程度とされている。 

しかし、虫歯リスクの高い母親であっても、きちんと治療を受けることで子どもへのS.mutansの感染を効果的に減らすことができるという報告もある。 

 

酸性度による影響 

虫歯は、歯面に定着増殖したプラーク中の細菌が発酵性糖質を代謝して酸を産生し、酸の作用によって歯質のリン酸カルシウム結晶(ヒドロキシアパタイト)からカルシウムイオン・リン酸イオンが溶出し、唾液中に放出される脱灰反応と、唾液の緩衝能によってpHが回復した後、唾液中のカルシウムイオン・リン酸イオンが歯質に取り込まれヒドロキシアパタイト結晶が修復される再石灰化反応のバランスが崩れ、脱灰反応が再石灰化反応を上回った時に進行する。 

飲食物に含まれている酸や胃酸など、口腔内で細菌が産生した酸とは異なる由来の酸が歯質を脱灰する現象は酸蝕症と定義される。 

食後の歯磨きは30分待ってからにすべきだ、という説は唾液の存在しない試験管の中で、酸性の炭酸飲料に象牙質のディスクを浸漬して軟化させた後、ディスクを取り出して口腔内に装着しブラッシングを実施すると象牙質が摩耗した、という「酸蝕症とブラッシングによる摩耗」に関する実験をもとに提唱されたものであり、普段の食事の後にブラッシングする場合とは異なる前提の実験であることに注意が必要。 

最新の論文では、酸性飲食物摂取直後に歯を磨いた場合と数分(10~240分の間隔をあけて歯を磨いた場合の間に摩耗の程度に有意な差はみられなかったとされている。 

つまり食後30分間ブラッシングを控えることでメリットはなく、デメリットとして食事由来糖質を利用してプラーク中の細菌が酸を酸性することで、プラークのpHがエナメル質の臨界pH5.5、象牙質の臨界pH6.0~6.5を下回る酸性に傾いてしまうことがあげられる 

臨界pHとは歯質がミネラルの喪失を起こす最も高いpHの値のこと。なお、食事回数の増加は継続的なpHの低下を持続させ、脱灰時間が延長して虫歯リスクを増加させる。 

 

発酵性糖質 

甘味を感じる物質は発酵性糖質と低齲蝕性甘味料に分類される。 

低齲蝕性甘味料は口腔細菌が代謝できないためエネルギーも酸も産生することができない。 

発酵性糖質は口腔細菌が代謝して酸が酸性されてしまう。 

 砂糖>ブドウ糖、果糖、乳糖>デンプン 

 

監修 大串 博
歯科医師臨床研修指導医
日本歯周病学会 専門医
日本口腔インプラント学会専門医
日本臨床歯周病学会 歯周病指導医・認定医 ・歯周インプラント指導医
日本顎咬合学会 認定医
日本アンチエイジング歯科学会認定医
日本歯科医師会認定産業歯科医
インビザラインダイヤモンドドクター
日本審美歯科学会会員
日本血液学会会員
点滴療法研究会会員 高濃度ビタミンC点滴療法認定医
日本歯科医師会会員

 

「鬼手仏心」
歯科医になった時からの座右の銘です。

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